「新感覚・格闘スポーツ」と銘打って2017年6月に任天堂から発売された『ARMS』。公式大会以降は『EVOJAPAN2018』や『KVO』など従来の格闘ゲームが中心のイベントでも採用されるようになり、格ゲーマーの方からも「ARMSなかなか熱いな!」という声が聞こえてきました。しかし「実は見所やルールをよくわかってない。そもそも格ゲーなの?STGなの?」と感じた方も居たように思えます。今回はそんな「ARMS興味あるけどよくわからん」という格ゲーマーに向けて『ARMS』の格ゲー的要素を解説します。
『ARMS』ってどんなゲーム?
『ARMS』は三人称視点でボクシングをベースにした様々な競技を腕が伸びる能力者達が行うスポーツゲームです。こう説明すると「三人称視点という事はSTGなのでは?」と思われるかもしれません。画面構成が近い『ガンダム』や『バーチャロン』を想像してる人も実際多いようです。しかしこの『ARMS』というゲーム、公式やユーザー主催の大会で使用される1対1の対戦モードにおいては格ゲー的要素が多数あります。
『ARMS』の基本システム
まず『ARMS』の基本的なシステムの紹介をしておきましょう。
パンチ、チャージ攻撃
基本的な攻撃方法。チャージ攻撃は威力が上がったり特殊な効果が付与される格ゲーにおける必殺技的存在。
ガード、削り、ガードクラッシュ
ガードはパンチに対する防御手段。基本的にすべてのパンチはガードで防げるがチャージ攻撃は削りダメージを受ける。また、パンチをガードし続けるとガードクラッシュが発生する。
投げ
ガードを崩すための要素。投げは格ゲーと同様にガードを無視してパンチと同等以上のダメージを出す事ができる。リーチはパンチと同等で当たり判定さえ噛み合えば空中の相手を捕まえる事も可能だが、パンチを出されると基本的に潰される。
ダッシュ、ジャンプ、ガードキャンセル
移動手段として相手への距離を詰めたり離れたりするだけではなく、横へ行う事でパンチや投げを回避する事が可能。ガード中にダッシュを入力する事で前後にガードキャンセル移動ができる。ガードキャンセル移動中に攻撃を出す事も可能(一部キャラを除く)。表記上は「ダッシュ」とあるが格ゲーにおける「ステップ」に近い仕様(これも一部のキャラを除く)。
軸
対戦相手に対する自キャラの向き。相手が横に移動するとこちらの軸がずれ、こちらは歩く、ダッシュ、ジャンプ等の移動行動を行うと自動で軸が合う。軸がずれたままパンチを発射しても相手に向かって飛ばないので、攻撃を当てるためにガードを解いて動く必要性が生まれる。
相殺、アーム重量
相手のパンチに対して同重量のパンチを出す事で相手の攻撃を相殺できる。アームの重量が上回れば相手のパンチを一方的に貫通する事が可能。投げは攻撃の中で最も重量が軽い扱いとなり全てのパンチに対して打ち負ける。
必殺ゲージ、必殺ラッシュ
必殺ゲージはパンチを振ったり当てたりダメージを受けたりガードすると溜まっていく従来の格ゲーでもよく見られるスタンダードな仕様。必殺ラッシュはワンボタンで発生させる事ができ、暗転中には相手のパンチを相殺する性質を持つ。その後一定時間の間アームが強化され、発射したパンチはコンボとして繋ぐ事ができる。
こうして見るとどこかで見たようなシステムが意外に多く含まれてるような気がしませんか?
格ゲーに置き換えてみよう
他の格ゲーにあって『ARMS』にない物は?
まず『ARMS』には弱攻撃のような細かく刻む技がありません。全ての攻撃に格ゲーで言うところの中攻撃~必殺技程度の隙がありガードされれば大抵不利になります。遠距離でアームを振る分には平気ですが、近距離ではガードされた時のリスクも大きめです(一部例外あり)。また、しゃがみや中段下段、めくりのようなガード方向を惑わせる要素もありませんのでガードを崩す手段は投げか削りかガードクラッシュのみとなります。
のびーるパンチは実は波動拳
『ARMS』は腕が伸びる事から「全員ダルシム」とストリートファイターシリーズのキャラクターに例えられる事があります。しかしダルシムとは違い伸ばしたアームには食らい判定はなく、代わりにアーム同士の相殺判定があり、同じ重量のアーム同士がぶつかると格ゲーの飛び道具のように相殺になります。つまり見た目はパンチだけど性質は波動拳のような飛び道具に近い物になっており、この波動拳のようなパンチを撃ち合いラインを上げ相手を徐々に壁際に追い込むといったゲーム性になっています。
起き攻めや固めが存在する
壁際に追い詰めた相手には起き攻めが有効です。例えば起き攻めにはチャクラムのような横に広く攻撃持続時間の長いアームを起き上がりに重ねガードを誘い次の起き攻めでは投げを仕掛けたり、投げを嫌がって相手がジャンプで逃げようとしたら縦方向に強いアームで落とすなんて事も可能です。また、爆破属性のアームは爆風をガードさせる事で有利状況を継続できるのでそこからパンチと投げの択を迫るような固めも存在します。
コンボもある
『ガンダム』や『バーチャロン』のようなゲームにもコンボがありますが『ARMS』のコンボはシンプルながらもより格ゲー寄りの物になっています。例えばグローブのワンツーパンチを近距離で当てると相手は浮くので更にパンチで追撃を入れたり、電気属性でのスタンやショック属性のヒット確認から投げを入れたり、風属性で浮かせてからゲージを吐いて必殺ラッシュに繋げるといったような事も可能です。ちなみに必殺ラッシュは『ストリートファイターZEROシリーズ』のオリジナルコンボに近い性能になっており、攻撃だけではなくカウンターにも使えます。
視点は違えど応用は可能
『ARMS』にはこのように格ゲー的な要素が多数あります。『ARMS』は厳密に言えば格ゲーに区分されないと言う人も多く、実際そうなのかもしれません。しかし既存の格ゲーを可能な限りシンプル化しTPS視点に落とし込んだ物という見方もできます。格ゲーとして見ると通常技の種類や中下段が無くコンボやダメージの取り方がとてもシンプルですので覚える事が非常に少なく操作のコツさえ掴めば中級者までの道のりは比較的緩やかな物になっています。覚える事が少ない、つまり「ちょっと気になるけど全く身に付かなかったらどうしよう」と迷っている人にこそ私は一度プレイする事をオススメしたいです。
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この記事のライター
はっち(@hzk5316)
格ゲーとドラクエとレトロゲームを愛する雑食ゲーマー。意外と飽きっぽい性格だがハマるととことん遊び倒す。実はARMS以外の格ゲーのコンボはあまり上手くない。